実環境キャリブレーション・ガイド(f/s・PPS・C/R)

本ガイド「実環境キャリブレーション・ガイド(f/s・PPS・C/R)」では、『アルゴリズムに立ち向かう!』シリーズに含まれる AlgoTone分析 を、市場マイクロストラクチャの観測研究に適した形で利用するための標準的な計測フレーム再現性のある設定手順 をまとめています。

AlgoTone分析は、高頻度データに見られる構造的特徴(提示頻度・約定粒度・反応速度など)を理論的参照モデルとして抽象化 し、その要点を一般的なPC環境でも扱えるようにした市場動態の状態分類モデル です。

👉 AlgoTone分析の概要はこちら(各種アイコンの説明もあります!)

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キャリブレーションとは

f/s🍈・PPS🍓・C/R🍊

■ “再現可能なマイクロストラクチャ計測系”を自分の手に

本ガイドでは、価格系列の揺らぎや提示テンポを「状態量」あるいは「物理量に類似した統計的変数 として扱い、観測者自身が環境ごとの リズム(cadence) を調整できるようにキャリブレーション手順を体系化しています。

ここでの目的は、AI的な予測手法に依存することではなく、生データの構造そのものから状態を抽出し、観測環境に適合した“基準帯(band)”を確立することです。コロケーション・専用線・HFT API 等を基準にした解析とは違い、日経225 mini の市場構造および、一般家庭のネットワーク × 国内ネット証券の標準トレーディングツールという 個人投資家が実際に利用できる唯一の観測環境を前提にしています。

キャリブレーションとは・・

名称とアイコンの対応表(本ページで扱う主な指標およびアイコンセット)

名称アイコン説明
フリッカー f/s🍈最良気配における価格更新の頻度(回/秒)。短期構造変動の主軸となる“価格反応速度”。
テープスピード PPS🍓歩み値(約定系列)の行数/秒。市場反応の“実行イベント密度”を把握する数列指標。
交戦度 C/R🍊「板の更新(新規+取消)」÷「約定」。提示レイヤと実行レイヤの乖離を測る“非対称性指標”。
Auction(潮目)💎寄付・再開時に見られる集中性(order convergence)の強さ。
Spread(薄氷)🧊スプレッドの拡大/収束のしやすさ(流動性厚みの変動)。
Sweep(貫通)🌊同方向に提示層を連続して通過する現象(段抜け)。
Flow(刻み)💧終秒帯の更新リズム。時刻近傍の“刻みテンポ”を表す。
IceWall(氷壁)❄️同値水準の即時回復度。提示の粘着性や反復配置の強度。
Tick=ティック📈Tickチャート(10-30)
🧮(クォート/気配の目視)
歩み値🎞️(クォート/気配の目視)
L1, L2, L3¹²³=Layer番号(¹=Flags, ²=Meters, ³=Scales & Units)

いずれも 市場マイクロストラクチャの統計的特徴を抽出するための記号化カテゴリ であり、売買判断を誘導する目的を持たず、データ科学上の“構造記述語”として扱っています。

ここで扱う値はすべて、

であり、特定の未来挙動を推定・示唆する目的を持ちません。時系列構造を理解するための「観測環境の地図」として利用します。

■ キャリブレーション:観測環境を基準化する3つの工程

キャリブレーションでは、歩み値や最良気配の変化速度などを数秒だけ計測し、自分の環境での「だいたいの帯域(低・中・高)」を作っていきます。これは数値の“絶対的な正しさ”を目指すものではなく、自分の観測環境で、いつもどれくらいの値が出やすいか を把握するための作業です。このように、自身のPC環境に基づく観測基準をつくっておくと、AlgoTone などの構造分析を使う際に、“いま見えている挙動が、自分の環境ではどのレベルに相当するのか” が安定して判断できるようになります。

まずは「静かな帯」「速い帯」の 5 秒計測を行い、自分のツールで観測される 🍈f/s・🍓PPS・🍊C/R の“平均的な高さ”をつかみます。

  • 静かな帯(例:10:30前後)で 5 秒 × 3 回
  • 速い帯(寄り直後、14:59 周辺など)で 5 秒 × 3 回

これらの平均をもとに、自分の環境における “低・中・高” の境界(band) を設定します。

帯は“絶対値”ではなく“相対値”として使われるため、環境が変わらない限り大きく調整する必要はありません。

高速の局所スパイクに反応しすぎると、帯の判定が“低→高→低…”と揺れ続けてしまいます。

そこで、帯の境界に ヒステリシス(Hysteresis) を与えます。

  • いったん「中帯 → 高帯」に入ったら、高帯→中帯へ下げる条件を “境界より 10〜15% 低く” 設定する
  • 同様に、低帯からの昇格にも 10〜15% 程度の余裕をもたせる

わずかな緩衝幅(buffer)を置くだけで、状態分類が安定し、雑音の影響を受けにくくなります。

※ヒステリシスとは「境目で反応をなだらかにするための緩衝領域」のこと。電気工学や計測工学で一般に使われる、安定化手法です。詳しくはこちら

AlgoTone分析を機能させるために、端末ごとに異なる更新速度や描画レイテンシを考慮し、状態境界を整える工程 を指します。

*レイテンシ(Latency)・・通信・描画・更新処理が原因で、画面に情報が届くまでに生じる遅れで、観測値は実際より“遅く”“粗く”見えるためキャリブレーションで補正します。遅延レイテンシについてはこちら

観測環境は、回線状況・ツールのバージョン・時間帯の癖などで徐々に“環境ドリフト” が発生します。そのため、月に 1 回だけ、次の手順で境界を補正します。

翌月以降の判定にその境界を使う
過去 20 日分のメモから f/s・PPS・C/R の中央値(p50)と p80 を集計
サイト既定の帯(🍈🍓🍊)の境界を、自分の p80 に ±10〜20% で再調整

これらを通じて、特殊な設備を前提とした環境がなくても、PC一台で市場構造の“状態マップ(state map)”を描くための計測系を構築する ことが実現されます。

■ タイムライン別スタティックデータの扱い

本サイト内の「Market Structure Breakdown」では、各時間帯における 市場マイクロストラクチャの静的統計 をタイムライン単位で整理しています。
さらに、30分ごとに公開しているMulti-Scale Market Structure Analysis Report(多重時間スケール市場構造レポート) では、直前 10 分までに観測された提示板・約定系列の状態を統合し、複数の指標とチャートを 時系列的・構造的見地から可視化 しています。

このページで扱う 直前 3–5 秒の観測手段は、短期的挙動の揺らぎを補正し、状態分類の最終段階に用いるための統計 です。

■ タイムテーブルに掲載される静的指標の性質
時刻帯別の静的データとして、以下のような情報が表示されます。
11:29:40–11:30:00 Shock-Tone 💥 拾ノ型⑩ 撃咆-げきほう 
Shock 撃咆💥→ ♪ Pulse 閃影💓, ♫反応 Pullback 仮戻し🌦️
🚩Flag [💎AT 2,🧊SP -,🌊SW -,💧RF 2,❄️IW 1]
f/s🍈🍈|PPS🍓🍓🍓|C/R🍊🍊
,🍐🍐(|偏り|=0.28)🍇🍇🍇: 82%
これらの数値は過去データから得られる統計的平均・中央値・分布特性を標準化した相対指標(normalized static metrics)であり、特定の状態を直接的に決定するものではなく、観測の“基準帯(reference band)”として利用する値です。


■ 観測系の違いによる測定バイアスについて

本サイトの f/s(最良気配の変化/秒)および PPS(約定/秒)は、一般家庭のネットワーク ×一般的な可視ツール(MarketSpeed II, HYPER SBI 2, kabuステーション等)の画面更新レートに準拠した値 を用いています。これは、高頻度配信(ダイレクト・フィード/コロケーション等)が扱うイベント駆動の全ティック系データ とは異なり、現実の個人投資家の環境唯一の前提 としています。専用線・コロケーション(Co-location)・HFT向け直結APIs を基準にした分析ではありません。

  • 110〜40ms 程度の通信遅延
  • UI のフレーム更新(5〜20Hz 程度)
  • L1 中心・L2/L3 は非連続
  • バーストは 30〜35/s 程度で頭打ち
  • 歩み値は全件を取得できず、2〜10/s 程度
  • 取消(Cancel) は“数量の変化”として見えるだけの場合が多い

という構造的な観測制約(Observation Constraints)の中で動いています。こうした制約は、一般投資家の環境では避けられません。そこで本サイトでは、以下のように観測できる範囲で、構造を安定して識別するための帯域観測を目標にします。

  • f/s(最良価格更新回数/秒)は 20〜35/s が観測上限(高頻度系と比較して下振れ
  • PPS(歩み値)も 約定をすべて拾うことはできず 2〜10/s 程度(高頻度系と比較して下振れ
  • C/R(取消比率)は 真の Cancel 情報ではなく“数量変化回数”の近似値
観測環境による違い
  • mini を基準とすることで、観測可能な分解能が最大化される
  • 個人環境の“観測限界”を統計的に補正した帯域
  • HFT帯域とは原理的に異なる世界を見るための学術的体系
  • 個人投資家が利用可能な唯一の「高再現性マーケットマイクロ分析」
ミニ vs ラージ:観測環境の統計的差異
観点ミニ(標準)ラージ(ミニ基準に対する考え方)
最小変動5円/ティック10円/ティック
1ティックの価値約500円約10,000円(ミニの約20倍)
気配スプレッド(静穏時)1tick が安定1–2tick が相対的に多め
PPS(prints/sec)帯域Calm/Box:0.5–3/Spike:6–12/Flash:12–25+Calm/Box:0.2–1.5/Spike:3–7/Flash:6–15+
f/s(更新/価格変化)帯域Calm:0.2–2/Flash:10+Calm:0.1–1/Flash:6+
C/R(更新÷約定)5秒窓:3–6(こなし)8秒窓推奨、基準値は同等だが安定化のため窓を延長
連続プリント“塊”≥6本 or ≥12–18枚 など≥4本 or ≥4–6枚(1枚の重みが大きいため閾値は圧縮)
連続の定義(Δt)≤0.6s(0.8s超で終了)≤0.8s(1.0s超で終了)
Cadence(提示間隔)200–400ms300–600ms(提示頻度が相対的に減るため緩和)
SP/SW/IW の見え方SP/SW が出やすい/IW が高頻度SP/SW は閾値を保守化、IW は復活回数基準を1–2段階緩和

■ ラージ市場を観測する際の補足

ラージは一度の約定サイズが大きく、可視的なプリント本数や価格更新頻度がミニより低く見えるため、観測上次のような統計的傾向があります。

  • f/s や C/R は 相対的に低め に観測されやすい
  • Spread 拡大の頻度はミニより少ないが、
     1tickあたりの価格インパクトが大きく、変化幅としては強く映る
  • Sweep 系の動きは本数よりも 段抜け(Pierce)方向の比重 が増す

ラージで観測する場合は、各しきい値をそのまま流用するのではなく、ミニ基準の統計量に対して ±10〜20% 程度の保守的補正 を行い、各ユーザーごとの環境(銘柄 × 端末特性)で平常帯域をキャリブレーションした上で利用することを推奨します。

【基準設定に関する重要な補足】

本ページに記載されるしきい値・観測手順・作例は、市場データの構造分析および動態モデリングを行う際の基準的な観測環境(最良気配 L1+歩み値) を前提にしています。
研究対象としては日経225先物 mini(ミニ)を基準としています。
ミニ市場は流動性構造・約定粒度・提示頻度が安定しており、フラグ(💎Auction/🧊Spread/🌊Sweep/💧Flow/❄️IceWall)やトーン(Calm-Tone ⚪/ Box-Tone 🔴および本サイト独自の Spike / Flash関数 など)に関する統計的特徴量(🍓PPS・🍈f/s・🍊C/R など)を観測する際の標準化に適しているためです。

本ページで示す数値は、「ミニ環境における平均的な観測単位」を基準として構成されています。日経225先物(ラージ)における同様の観測も可能ですが、データ生成過程(粒度・深さ・一約定のサイズ)に差異があるため、下記の表では 統計的な“見え方”の違い を補正した上で解釈する際の参考値を併記しています。

基本情報(L1、L2/L3って何?)

🎞️歩み値 - 🧮板 - 📈Tick

板🧮Order Book / Quotes🧮
「いくらで何枚、買いたい/売りたい」が縦に積まれた“注文の一覧表”です。
中央に並ぶ最良買い(Best Bid)最良売り(Best Ask)L1(Top of Book)。その上下に控える段がL2/L3(深さ)です。売りが左、買いが右、真ん中に値段の3列バージョンと、値段が一列で色が動く1列バージョンがあります。


🧮 1列板(DOM) 採用例:楽天証券/マーケットスピード

サイド価格枚数注記
売り(Ask)38,52012L3(上側の深さ)
売り(Ask)38,5158L2
売り(Ask)38,51025L1=最良売り(Best Ask)¹
—(ここがスプレッドの境目)—
買い(Bid)38,50520L1=最良買い(Best Bid)¹
買い(Bid)38,50015L2
買い(Bid)38,49530L3(下側の深さ)

🧮3列板(DOM)(売り|価格|買い)マネックス,SBI,kabu

売り数量(枚)価格買い数量(枚)
6039,240
4039,235
5539,230
48(L3)39,225
65(L2)39,220
76(L1)39,21598(L1)
39,21082(L2)
39,20590(L3)
39,20070
39,19564
39,19058
39,18562

🎞️歩み値(Time & Sales)サンプル

凡例:🗂️=板/🎞️=歩み値/¹²³=L1/2/3
PPS🍓=行数/秒(この表の行数を5秒などの窓で数えて÷秒数)
サイド=直前約定比での方向(↑買い優勢/↓売り優勢/→中立)

上限貼り付けの場合は最上部が更新する数をカウントすればよいから便利

時刻 (JST)価格枚数サイド直前比L1 Bid¹L1 Ask¹メモ
13:14:59.80039,21512+539,21039,215最良Ask喰い
13:15:00.02039,2158039,21039,215滞留
13:15:00.13039,2206+539,21539,220抜け1tick
13:15:00.29039,22014039,21539,220追加成約
13:15:00.54039,21510−539,21039,215押し戻し
13:15:00.88039,2109−539,20539,210反転気味
13:15:01.05039,2107039,20539,210滞留
13:15:01.24039,2155+539,21039,215反発
13:15:01.42039,21511039,21039,215こなし
13:15:01.76039,2204+539,21539,220じり上げ
13:15:02.02039,21513−539,21039,215指値復活
13:15:02.26039,21016−539,20539,210連続売り

<各トレーディングツールの比較>

以下は、板(気配)と歩み値を“数える”ときの実務ポイントを軸にした比較表です。凡例:🧮=板/🎞️=歩み値/¹²³=L1/L2/L3(最良/複数段/さらに深い)(注:各ツールはバージョン・契約で機能差あり。ここでは一般的な標準構成を想定しています)

観点MarketSpeed II(楽天)HYPER SBI 2(SBI)kabuステーション(auカブコム)マネックストレーダー(マネックス)
🗂️ 表示レイアウト(板)1列ラダー(価格の左右色反転で売買識別)|3列(買気配-価格-売気配)なし3列(買数量|価格|売数量)標準3列(買|価格|売)標準3列(買|価格|売)標準
🗂️ レベル表示 ¹²³L2相当の複数段あり(1列で上下に展開)L2(複数段)標準、L3は商品限定L2標準、表示段数の調整可L2標準、段数調整可
🎞️ 最新行の固定(上/下)限定的(自動スクロール追従が基本)設定可(上固定/下固定)設定可(上固定/下固定)上固定が得意(最新が常に最上段)
🎞️ 色分け・強調配色は良好だが最新ピン留め弱め上下色分け・連続方向強調◎上下色分け・強調◎上下色分け+最新強調◎
🎞️ 集約表示(同価格/同秒の“まとめ”)あり得る(※PPSが低く出る要因)設定でON/OFF設定でON/OFF設定でON/OFF
🎞️ タイムスタンプ粒度秒(msは非対応が基本)秒(ms非対応が基本)秒(ms非対応が基本)秒(ms非対応が基本)
🎞️ エクスポート/コピー版によりCSV/コピー可CSV/コピー可(条件あり)CSV/コピー可(条件あり)コピー中心(CSVは限定)
通信/更新設定「価格配信:リアルタイム」を最短自動更新最短自動更新最短デスクトップ版で最短
f/s🍈(最良“価格”フリッカー)数えやすさ:1列のため“価格のみ”カウントが安定:3列で価格変化を視認しやすい:同左:板と歩みの同期視認がしやすい
PPS🍓(歩み値行/秒)数えやすさ:最新固定が弱くコツ要:最新固定+行送り調整で安定:同左最高最新上固定で視線固定しやすい
典型的な“罠”歩み値の自動スクロールで数を落としやすいまとめ表示ONでPPSが低く出る同左まとめ表示ONでPPSが低く出る
推奨セットアップ(カウント用)f/s🍈は価格のみで5秒帯/歩み値は3秒に限定して数える歩み値は最新上固定+まとめOFF/板は3列でf/s🍈同左+段数は過不足ない表示歩み値は最新上固定+まとめOFF/板3列でf/s🍈

あくまで作成時点で、カウントし易さでいえばマネックストレーダー、csvデータ入手ができるのはそれ以外、ExcelVBAとの親和性はMarketSpeed IIです。PPS🍓を正確に取りたいときはマネックストレーダーの最新上固定は第一候補です。次点で HYPER SBI 2/kabuステ(設定で近づけられる)。

L1,L2,L3とは

L3=板の全層・アルゴ提示の詳細(一般には不可視)。本ガイドはL1必須/L2あれば尚良の前提で設計しています。

L1=最良Bid/最良Ask(気配の一番上)。本ページのf/s🍈計測はL1の“価格”変化が対象です(数量だけの点滅は数えません)。

L2=浅い板の厚み(上から数段)。C/R🍊を数える際、L2が見えるなら「新規・取消の見た目の変化」に含めてもOK(やり過ぎ注意)。

🧮 Order Book / Quotes (L1が“最前線”、その上下がL2/L3)

 売り(Ask)
 38,520  12 (L3)
 38,515  08 (L2)
→ 38,510  25( L1) ← Best Ask
------------------------------------- ← スプレッドの境目
← 38,505 20 L1 ← Best Bid
38,500 15 L2
38,495 30 L3
買い(Bid)

メモ:左右の枚数バランス=片寄り感、上下の段の厚み=止まり/抜けやすさ

設定ガイド(初期セットアップ)

🎞️歩み値 - 🧮板 - 📈Tick

— AlgoTone / AlgoFlags / Tape & Quotes を読むための基礎環境 —

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AlgoTone Analysis では

  • 🎞️ 歩み値(Tape)
  • 🧮 板情報(Quotes)
  • 📈 Tick・分足チャート

の 3つを 同じ時間感覚で“並列観察”すること を前提にしています。

これにより、

  • Layer 1|AlgoTone 🎼:値動きの「型(トーン)」
  • Layer 2|AlgoFlags 🚩:🧊Spread / 🌊Sweep /💧Flow / ❄️IceWall 等の状態フラグ
  • Layer 3|Meters 📏:🍈f/s・🍓PPS・🍊C/R・🍐OBI などの活動量メーター

を、ユーザー側の環境でも再現しやすくなります。以下では、一般的なトレーディングツールを想定して、

  1. 画面レイアウト
  2. 「なぜ Tick・歩み値・板を分けて見るのか」
  3. 推奨 Tick 数と MA 設定
  4. Tape / Quotes / Hybrid 指標の対応表

の順でガイドします。


1. 推奨レイアウト(画面割り)形(基本系)

▶ 基本レイアウト:3ウィンドウ構成

左エリア中央エリア右エリア
🧮 板(Quotes)📈 Tickチャート(メイン)🎞️ 歩み値(Tape)
最良Bid/Ask・厚み・偏りAlgoTone(トーン)の観測窓約定のテンポ・連鎖・密度

左:🧮 板(Quotes)最良幅・厚み・偏り・IceWall など AlgoFlags 🚩 の主戦場

中央:📈 TickチャートBox / Sine / Beat / Step などのトーン形状 を観察

右:🎞️ TapePPS(🍓)や連続約定・Δt でテンポ(💧Flow)を把握

2.📈Tick・🎞️Tape・🧮板 の使い分け

結論:最良幅(🧊 Spread)は “板 🧮” でしか分かりません。

✔ 見るべきデータ

  • Bid(買い最良)
  • Ask(売り最良)

👉 いずれも 板(Quotes)🧮 の L1 情報 に含まれるものです。
この Bid–Ask の距離 = 最良幅(Spread)🧊 をもとに、

  • 💎 Auction(潮目)
  • 🧊 Spread(薄氷)
  • ❄️ IceWall(氷壁)

といった AlgoFlags 🚩 の一部が評価されます。

✔ なぜ 歩み値(Tape)🎞️ では判定できないのか?

Tape には

  • 成立した約定価格・約定数量

しか記録されません。

「そのときどの価格が “最良として提示されていたか”」
「Bid0/Ask0 の枚数がどれくらいあったか」

といった情報は 一切含まれない ため、

  • 最良 Bid / 最良 Ask の距離(最良幅)
  • スプレッドの拡大・収縮

Tape 単体からは復元できません

「Box / Sine / Beat / Step / Dart / Shock …」など,値動きの時間パターン(波形・階段・サイクル) を分類

※ ここでは 形(Tone) を見るので、Spread や最良厚みそのものは扱いません。

板(Quotes)🧮 を主なデータ源とするレイヤー

  • 🍈 f/s:最良更新速度(L1 Bid/Ask が 1秒あたり何回入れ替わるか)
  • 🍐 OBI-L1:最良Bid/Ask の偏り
  • 🍇 Depth:最良±N ティックの厚み
  • 🧊 Spread Flag:最良幅の滞在時間・1→2tick 拡大比率 など
  • ❄️ IceWall Flag:削られた価格への即・同値復活率(RR)

これらは すべて板(Quotes)🧮ベース の計測です。歩み値からは完全には推定できません。

Tape 🎞️ と Quotes 🧮 をハイブリッドに用いるレイヤー

  • 🍓 PPS(Prints per Second)
    🎞️ Tape の約定件数/秒 → 約定テンポ
  • 🍊 C/R(Change / Replace 比)
    🧮 最良付近の「新規(Add)+取消(Cancel)」 ÷ 🎞️ 約定件数
    “板操作 vs 実約定” の比率
  • 💧 Flow(刻み)
    • 基本:🎞️ Tape の Δt中央値(連打間隔)
    • 補助:🧮 Quotes の同方向 Add 間隔(提示テンポ)
  • ❄️ IceWall(氷壁)
    • 🧮 同値復活の頻度(RR/TOS)
    • 🎞️ その価格帯の「こなし(約定密度)」とセットで評価

👉 IceWall は「板だけ」ではなく「板+Tape」の Hybrid 指標 です。「削れてもすぐ戻る」だけだと“見せ”の可能性があるため、その価格でどれくらい約定が発生しているか(PPS)も同時に見ます。

  • Tick=形(Tone)を見るレイヤー 🎼
  • 板=状態フラグ(Spread / Sweep / IceWall)を見るレイヤー 🚩
  • Tape=活動量とテンポ(PPS / Flow / C/R)を見るレイヤー 📏

という 役割分担 があるため、同じ画面上に 📈 / 🎞️ / 🧮 を並べる理由 が生まれます。

データ種別わかることわからないこと
🎞️ 歩み値(Tape)約定のテンポ(🍓PPS)・連続性・Δt・塊のサイズ / 方向最良 Bid/Ask の距離(スプレッド🧊)、L1枚数の偏り、Depthそのもの
🧮 板情報(Quotes)最良 Bid/Ask、スプレッド🧊、L1/L2 厚み、🍐OBI、❄IceWall の候補約定連鎖の「勢い」(ヒット速度・PPS)そのもの
🎼 AlgoTone(Tick)波・階段・レンジ・ブレイクなどの時間構造(Box / Sine / Step…)スプレッド・板の偏りの数値、IceWall の強度

3. Tickチャートの推奨セット(AlgoTone対応)

Wave系トーン(③ Box-Tone 🔴 / ⑧ Sine-Tone 🟢/ ⑪ Beat-Tone ⚔️/ ⑬ Step-Tone 🌓)は「30 Tick」を標準窓として設計していますが、ユーザー負荷を考え、3つのプリセットを推奨します。

📈 10 Tick + MA5 / MA12 / MA20 (チャート設定の「枚数」という所に10と入れる)

  • 対応トーン:⑤ Spike-Tone ⚡ / ⑦ Flash-Tone 💫 /⑰ Surge-Tone 🌩️/⑩ Shock-Tone 💥 など
  • 目的:「急変の立ち上がり・減速・フェイク」を識別

📈 30 Tick + MA20 / MA50 / MA80

  • 対応トーン:③ Box-Tone 🔴 / ⑧ Sine-Tone 🟢/ ⑪ Beat-Tone ⚔️/ ⑬ Step-Tone 🌓/ Pennant -Tone🌔 など)
  • 目的:「往復の周期・階段間隔・収束→拡大」の観察

📈 60 Tick + MA30 / MA60 / MA120

  • 目的:「局所構造がどのような大局の中に埋まっているか」を見る

4. 分足チャート(バックグラウンド)

Tick では「局所構造」を詳しく、分足では「背景ドリフト」をざっくり把握します。

チャート推奨設定主な役割
📈 1分足MA20 / MA50 / VWAPTick構造の背後にあるテンポの確認
📈 5分足MA20 / MA50 / MA100サイクル単位の方向性
📈 15分足VWAP / 長期MA日中全体の流れの参照

*分速の移動平均は、日経miniの場合(19、 49、 98、 196)で設定すると上下極値とよく合致するケースがある。

5. レイヤー × データ種別 対応表

レイヤー名称主データ源代表アイコン何を見る?
Layer 1AlgoTone 🎼📈 Tick🔴🟢🌓⚡…値動きの型・周期構造
Layer 2AlgoFlags 🚩🧮 Quotes + 🎞️(一部)🧊🌊💧❄💎Spread / Sweep / Flow / IceWall / Auction などの状態フラグ
Layer 3Meters 📏🎞️ Tape + 🧮 Quotes🍈🍓🍊🍐🍇f/s, PPS, C/R, OBI, Depth などの活動量・偏りメーター
Layer 4Scales & Units(将来)📈 Tick🍌🍋🍍見かけスプレッド・必要Tick・段抜け量(実行スケール)

6. 初期設定チェックリスト(セットアップ10項目)

7. まとめ

  • 📈 Tickチャート
    AlgoTone 🎼 で 「どのトーンが顕在化しているか」 を視覚的に捉えるため。
  • 🎞️ 歩み値(Tape)
    🍓PPS・Δt・塊の大きさから 「処理テンポ(💧Flow)と実需の質」 を測るため。
  • 🧮 板(Quotes)
    🧊Spread・🍐OBI・🍇Depth・❄IceWall から
    「どこが薄く、どこに見えない壁があるか」 を把握するため。

この 3つを分離した上で 同時に観察できる環境 を整えることが、AlgoTone / AlgoFlags / Meters を正しく読み、市場構造の変化を統計的・構造的に記述するための“前提条件” になります。

4. 環境設定(しきい値キャリブレーション)

🍈🍓🍌🍐

前章「チャート設定ガイド(初期セットアップ)」では、AlgoTone・AlgoFlags を用いた**視覚的構造把握のための“画面設計”を整理しました。そこでは、板 🧮、歩み値 🎞️、短期Tick 📈 の3つを並列に置き、市場の「時間幅」「密度」「偏り」を同時に観察できる環境を整えることが目的でした。

なお、視認できる構造を“比較可能”にするためには、その画面の更新速度や端末の処理速度に合わせて、計測値の解像度(Resolution)をローカル環境へ合わせ直す工程が不可欠です。

本章「環境設定(しきい値キャリブレーション)」では、AlgoTone で用いる主要指標 — 🍈 f/s・🍓 PPS・🍐 OBI-L1・🍌Spread — を中心に、各ユーザーの環境に合わせて再現性の高い帯(Low / Mid / High)を作る方法を解説します。

1. 観測環境の基本方針(Observation System Setup)

なぜキャリブレーションが必要か?

一般向けツール(MarketSpeed II / kabuステーション / HYPER SBI 等)はUI更新の間引き・回線遅延・端末性能により、指標の絶対値がズレる。したがって本ガイドでは「正しい値を出す」よりも、ユーザーの端末で再現可能な帯(Low / Mid / High)を作る” ことを目的とします。

優先度指標アイコン説明目視の難易度
★★★★★f/s(最良価格の更新/秒)🍈L1価格の上下だけを数える
★★★★★PPS(歩み値行数/秒)🍓Tapeの行増加を数える
★★★★☆スプレッド(最良幅)🍌Bid–Askの距離
★★★★☆OBI-L1(最良の偏り)🍐最良Bid/Askの枚数差
★★☆☆☆Depth、Flow、C/R、Sweep🍇🍒🍊🍍専用計測が必要(VBA/Python向け)

本章では上4つ(🍈🍓🍌🍐)を中心にキャリブレーションを行います。
難易度の高い指標(🍇🍒🍊🍍)は、章末に別枠で補足。

2. 観測環境の整備(Pre-calibration Setup)

位置内容アイコン目的
板(Quotes)L1/L2🧮🍌スプレッド、🍐OBI-L1、🍈f/s の主計測源
右上歩み値(Tape)🎞️🍓PPS の計測源
右下短期Tickチャート📈動きの“質”を観察(MA20/50/100など)
  • 更新間隔 → 最短/リアルタイム
  • 省電力・低負荷モード → オフ
  • PCの時刻同期(NTP) → オン
  • 回線 → 有線LAN推奨
  • Tickチャート
    • 基本:30Tick(MA20/50/100)
    • 応用:10Tick・60Tickのサブ設定(プロ仕様)

5. 目視によるキャリブレーション

🍈🍓🍌🍐

3.する「5指標」の計測ルール

(🍈 f/s・🍓 PPS・🍌 最良幅・🍐 OBI-L1 ・🍏🍎 DPR)の5指標は、いずれも🧮最良板(L1)「板の提示テンポ」と🎞️歩み値(T&S)「実際の売買衝突テンポ」を最小限の表示で“自分の手元のPC環境に最適化した基準値”として作るためのものです。

そこで、静かな帯(10:30前後など)で「平常値(静的な基準)」を取り、寄り付き・再開・引け前のような高速帯で「高速時の基準」を取り、その分布差から Low/Mid/High を自分の環境に合わせて再定義します。このようにPCで描画されるテンポを基準化しないと、AlgoTone のトーン/フラグ判定をそのまま使うと「微妙にズレる場面」が生じます。

指標測る対象市場での意味なぜ5秒かPC調整としての意味
🍈 f/s最良価格変動回数提示テンポ(quote)揺らぎを均しつつ即応性も確保描画遅延の補正
🍓 PPS歩み値行数約定テンポ(trade)約定頻度の微細変動を捉えるPCの表示速度を基準化
🍌 最良幅Bid-Ask距離衝突のしやすさ変動観察に向く最短時間実効スプレッドの把握
🍐 OBI-L1厚みの偏り(L1)方向圧の偏り最良だけで十分判断可PCの環境での見え方を補正
🍎 DPR力の偏り方向性の強さ歩み値の左右差PPS計測でOK

4.5秒カウントと3秒ローリング平均

──「計測用」と「実戦用」を混ぜないための基礎ガイド」

超短期トレードにおいて、🧮板(Order Book)と🎞️歩み値テープ Time & Sales)の“速さ”を読むことは、方向を読むことに先立つ基礎作業です。

速さの計測には

  • 基準をつくる測定モード(Calibration Mode)
  • 実戦で判断する運用モード(Execution Mode)

この章では、一般トレーダーが日常的に使える最低限の測定法として、🍈f/s / 🍓PPS / 🍌スプレッド / 🍐偏り / 🍏🍎DPR を使いながら、「いつ・何を・どのくらい」測ればいいのかを体系的に説明します。

モード目的使う指標主な作業
測定モード(Calibration)自分の基準作り🍈🍓🍌🍐🍏5秒カウント、環境調整
実戦モード(Execution)今の判断主に🍈🍓🍏3秒ローリングで即判断

ふだんの「静かな帯」で基準(平常値)を作ります。画面は 板(L1必須/L2あれば尚良)+歩み値+短期Tick の3点だけに絞り、5秒だけ次を数えます。

メトロノームや指トントンでテンポを取りながら数えると安定します

方法:

  • 5秒間じっと板とテープを観察
  • 動きを数値化(f/s、PPS、偏りなど)
  • 何度か繰り返して“基準値”を作る

これは、指標の数値の帯域を微調整するための作業です。

  1. 🧮板画面の最良(L1)Bid/Askを見て
  2. 価格だけが動いた回数をカウント。スルーと数Tick抜けたら数量だけの変化はカウントしない
  3. 価格が行って戻れば 2カウント
  4. 回数 ÷ 5 = 回/秒

例:5秒で12回動いた → f/s = 2.4 回/秒

これらを「自分のPCで」つくるのが測定フェーズの目的。
以下、f/sの例です。この分布から自分のPC専用のLow / Mid / High の境界 を決めます。この“平常帯”が、AlgoTone のトーン/フラグ判定に上書き補正するための土台になります。以降は、時間帯ごとのスタティックなフラグレベルをサイト内「Market Structure Breakdown」)で参照しつつ、直前の3秒観測で最終補正を実施します

例:f/s(最良価格更新回数/秒)

レンジ意味
🍈0〜6/s
日中の中央値(μ付近)
普通の通常相場(平均は2〜4/s)
🍈🍈6–12/s高速帯(Shock/Run系に入る)Q3(上位25%帯)
🍈🍈🍈12–20/s 超高速帯(SweepやTrapの直前)分布上位10%~5%
🍈🍈🍈🍈≥20/s特殊帯(家庭環境ツールの飽和点(観測上限)

「20/s以上」は 高速回線・API・専用ツール+プロ環境 で観測される値で、家庭用ブラウザではなかなか見えません。これを調整します。(見えるのは多くても 10〜12/s まで)

🎞️テープ(歩み値)が下、もしくは上にスクロールされる更新回数(行数)を数える。小さな約定も1行としてカウント。

→ 実測では 平均:1.5〜3 /s 上位帯:5〜10 /s が多い構造。証券会社ツール(SMART/BRIDGE等)での限界値

PPS基準
🍓〜2中央値〜やや低位
🍓🍓2–4平均帯(μ付近)
🍓🍓🍓4–8上位25%〜10%
🍓🍓🍓🍓≥8Burst時(昼/引けなど)

🧮 板(Quotes)で最良Bid と最良Ask の距離(ティック差)
5秒間で「平均的にどれくらい開いているか」を見る。

  • 5秒間で
    • 1tick維持率
    • 2tick以上の滞在比率
      をざっくり計測 

処理が重い・混雑時は見かけが実態より低く出ることがあります。帯で判定し、数値そのものに固執しないのがコツです。

計測方法(最簡便)

  1. 🧮 最良Bid枚数 と 最良Ask枚数を随時確認
  2. |Bid − Ask| / (Bid + Ask) で偏り率を算出(目視はおおよそでOK)
  3. 0.0〜0.2 → 対称
    0.3〜0.5 → やや偏り
    0.6以上 → 片側優勢

例:Bid 300枚 / Ask 100枚 → 0.50(強い買い優勢)

安定して観測でき、分布が比較的なだらかなので偏差を段階化しやすい。偏りそのものよりも「持続時間」を条件に入れることで“瞬間的な虚偽厚”を排除できます。

偏り基準
🍐偏り
🍐🍐0.20〜0.30Q3 付近(寄与あり)
🍐🍐🍐0.30〜0.40明確な優位傾向
🍐🍐🍐🍐≥0.40(2s↑持続)推進前兆帯(上位5%)

板と歩み値の時間軸のズレを吸収する指標ですが、“実際の数式”ではなく 実戦の手計算(5秒+3秒)でも再現できる方法 を示します。板(f/s)の方向性 × 実需(PPS)の強さを、「その時間帯で出うる最大値」で正規化したものという仕組みです。

実際の数式 DPR = (Bid方向の力 − Ask方向の力) / (f/s× PPS)

  • 歩み値の 5秒間の緑行(Up) = Bid方向の力
  • 歩み値の 5秒間の 赤行(Down) = Ask方向の力
  • (f/s(板の動き) × PPS(約定の実需)

DPR 近似式 
DPR ≒ (( f/s の方向 )×( PPSの強度 ) / ( f/sの最大帯 × PPSの最大帯)

  • f/s の方向(上に動く回数が多いか / 下に動くか)
  • PPS の強さ(歩み値の実需の厚み)
  • f/s と PPS は “速度帯” が違う(f/s は 0〜30/s、PPS は 0〜8/s)なのでそのまま掛けると DPR の値が暴走しすぎて使えない。だからそれぞれの最大レンジで割って正規化(0〜1に収める)

(一般環境におけるDPRの大体の速度)

  • 🍏/ 🍎系(絶対値0.20–0.35)
  • 🍏🍏 / 🍎🍎(絶対値 0.35–0.55)
  • 🍏🍏🍏 / 🍎🍎🍎(絶対値 0.55 以上)

  1. 平常帯(Normal)
  2. 加速帯(Fast)
  3. 高速帯(Spike)
  4. 異常帯(Chaotic)

それにより、自身でのマーケット状態の観測ルールを管理するとともに、以下のサイトが提供するタイムテーブルの指標フルーツ数と合わせることができます。

■ タイムテーブルに掲載される静的指標の性質
時刻帯別の静的データとして、以下のような情報が表示されます。
11:29:40–11:30:00 Shock-Tone 💥 拾ノ型⑩ 撃咆-げきほう 
Shock 撃咆💥→ ♪ Pulse 閃影💓, ♫反応 Pullback 仮戻し🌦️
🚩Flag [💎AT 2,🧊SP -,🌊SW -,💧RF 2,❄️IW 1]
f/s🍈🍈|PPS🍓🍓🍓|C/R🍊🍊
,🍐🍐(|偏り|=0.28)🍇🍇🍇: 82%
これらの数値は過去データから得られる統計的平均・中央値・分布特性を標準化した相対指標(normalized static metrics)であり、特定の状態を直接的に決定するものではなく、観測の“基準帯(reference band)”として利用する値です。

3秒ローリングとは、測定フェーズでつくった基準帯に対し「いま、どれくらい速いか」 を実戦時に判断するために使います。取引前の最終判断としてリアルタイムで判断するときの測定、AlgoTone のトーン/フラグを補正し、Fake/Trap を誤読しないための 滑らかさ を得る目的です。

① 歩み値を画面の中央に置く
② 秒刻みで件数を数える(指トントン or メトロノーム)
③ 毎秒リストに p1, p2, p3 を並べる
④ 3秒ごとに算術平均を取る

※ 手計測でも 5〜10分練習すると安定して取れる

なぜ3秒?
板(L1)は1秒ごとに鋭いギザギザ(ノイズ)が出る。しかし 5秒でならすと今度は遅すぎる(反応が鈍い)そこで、直近3秒合計 ÷ 3 という中間の平滑化が最も実用的になる。 3秒は短いので、実戦の意思決定に間に合う

直近3秒の f/sやPPSの合計 ÷ 3

  • 🧮1秒:2回
  • 🧮2秒:4回
  • 🧮3秒:6回

→ (2+4+6)/3 = 4.0 回/秒 これが「現在の実効速度」。
ローリングで“安定帯(🍈🍈)” と判断できます。

  • 3秒平均が基準帯を超える → 加速の兆候
  • 基準より下 → 市場の静寂
  • 急増 → 大口参入・厚い攻めただし、p1だけ異常に高い → Fakeの可能性
  • 急減 → 逆方向の押し戻し・休憩帯

  • 突然広がる → 薄板警戒
  • 瞬間的に狭まる → 方向がある

板の形状(左右厚み)で目視:

  • 徐々に偏る → 持続圧
  • 偏りだけ変わる → Fakeの可能性

DPR 近似式を利用する。
DPR ≒ (( f/s の方向 )×( PPSの強度 ) / ( f/sの最大帯 × PPSの最大帯)

f/s は板が最初に反応するので、方向性の初期シグナルは Bidの更新回数・Askの更新回数 で決まる。

  • f/s が上に多く動く → 🍏(正)
  • f/s が下に多く動く → 🍎(負)

Ask が次々食われると:

ふだん同時に動く一群の指標が「上方向」を示す

方向が決まっても、それが “本物のトレンド" か Fake かは PPS が握る。

  • PPS が追随する → 本物(Shock/Pulse)
  • PPS が弱い → Trap/Fake

f/s の最大帯:🍈🍈🍈🍈=30/s
PPS の最大帯:🍓🍓🍓🍓=8/s
f/s(方向):上 12/s 🍈🍈🍈
PPS(強度):3.0/s 🍓🍓

DPR ≒ (12 × 3) ÷ 240
= 36 ÷ 240
= 0.15 → “→” 〜 “🍏”

🍏0.15 だと数値が低く、歩み値が弱く、方向圧が続く保証はないと判断ができます。

  • 🍏/ 🍎系(絶対値0.20–0.35)
  • 🍏🍏 / 🍎🍎(絶対値 0.35–0.55)
  • 🍏🍏🍏 / 🍎🍎🍎(絶対値 0.55 以上)

ケース1:本物のShock上昇

f/s の最大帯:🍈🍈🍈🍈=30/s
PPS の最大帯:🍓🍓🍓🍓=8/s

f/s:15/s(🍈🍈🍈)
PPS:6.5/s(🍓🍓🍓)

DPR = (15 × 6.5) ÷ 240
= 97.5 ÷ 240
= 約0.41 → 🍏🍏(中強)

🍏0.41 だと👉 Shock帯。板のスピードと歩み値の実需が揃っている。

ケース2:下方向の強いTrap(下圧)

f/s:方向:下 -10/s(🍈🍈)
PPS:-5.5/s(🍓🍓🍓)

DPR = (-10 × -5.5) ÷ 240
= -55 ÷ 240
🍎 DPR= -0.23 → 🍎

👉 下圧の弱中級。Trap(売りの見せ玉)が多く、実需が後から少量追随している状況。符号が逆転していないので Trap 上昇ではない。

ケース3:上下が合わない(= 方向不明)

f/s:上に速い(14/s)🍈🍈🍈
PPS:下にやや強い(-4/s)🍓🍓🍓

DPR = (+14 × −4) ÷ 240 = −0.23 → 🍎

👉 上圧に見えるのに、歩み値が下 → フェイク警戒
こういう場合の DPR の読みは極めて重要。

その他、
OBI🍐 と方向一致のときは Break前兆のシグナル
PPS🍓上昇+DPR符号固定=Sweep直前の典型

DPRについては、“観測レイテンシ” の影響を受ける場合があります。“観測レイテンシ” についてはこちらを参照ください。

7. 高難度指標(Depth・Flow・Sweep・C/R)の扱い

  • 板の2–5段目の点滅は高速で、人間の目には追えない
  • プログラミングでの計算(VBA/Python)で初めて安定する(レポートケーススタディーページで解説します)
    • 🍇 Depth(厚み分布)
    • 🍒 Flow(Add/Cancel間隔)
    • 🍍 Sweep(段抜け数)
    • 🍊 C/R(新規取消 ÷ 約定)

これらの指標の計測については、レポートケーススタディを参照ください。

AlgoFlag(5トーン) × 目視キャリブレーション

🎞️歩み値 - 🧮板 - 📈Tick

目視4指標 ↓ / ALGoFlag →💎 Auction
(衝突)
🧊 Spread
(広がり)
🌊 Sweep
(貫通)
💧 Flow
(方向性)
❄️ IceWall
(厚みの壁)
🍈 f/s(最良価格更新速度)⭐⭐⭐⭐(重要)⭐⭐⭐⭐⭐(核心)⭐⭐(補助)⭐⭐⭐(中核)⭐⭐(弱いが効く)
🍓 PPS(歩み値行数/秒)🧮⭐⭐⭐⭐⭐(核心)⭐⭐(補助)⭐⭐⭐⭐⭐(核心)⭐⭐⭐⭐(重要)⭐⭐(壁突破の速度)
🍌 最良幅(Best Spread)⭐⭐(補助)⭐⭐⭐⭐⭐(核心)⭐⭐(補助)⭐⭐⭐(重要)⭐⭐(壁距離の判断)
🍐 OBI-L1(最良厚み偏り)⭐⭐(補助)⭐⭐⭐(背景)⭐⭐(方向示唆)⭐⭐⭐⭐⭐(核心)⭐⭐⭐⭐⭐(ほぼ主軸)

■1. f/s🍈(最良価格更新速度)は

  • Spread の核心
  • Auction / Flow のテンポ判定の重要要素

■2. PPS🍓(歩み値)は

  • Auction(衝突)と Sweep(貫通)における絶対的な中核
  • Flow の強さにも深く関与
  • Spread と IceWall では“補助的”に使われる

■3. 最良幅🍌 は

  • Spread の本体
  • Sweep・Flow の“地形”として効く

■4. OBI-L1🍐 は

  • Sweep/Auction の方向示唆
  • IceWall の本体
  • Flow の方向性の“源泉”

⏳メトロノーム運用(指カウント版)—最新版ガイド









売り(Ask) 数量価格買い(Bid) 数量
12043,540
22043,535
180(最良Ask ▶︎)43,530
43,525260(◀︎ 最良Bid)
43,520300
43,515200
43,510140

表示遅延(表示レイテンシ:Display Latency)対策

🎞️歩み値 - 🧮板 - 📈Tick

一般向けツールは配信間引きやユーザーインターフェースの更新間隔で“見かけの数値”がブレます。自分の端末の平常値に合わせて境界を合わせ直すのがキャリブレーションです。そのため、以下の方法でローカル再推定を行います。

一般的な板表示・歩み値ツールの更新間隔は:

ソフト典型的なUI更新間隔
ブラウザ型100〜200 ms
一般PCアプリ30〜100 ms
高速トレーディング端末10〜30 ms

多くの家庭PCでは 0.05〜0.20 秒 に1回しか画面が描き変わっていません。

  • 20営業日のメモから p50 / p80 を算出
  • 「Mid/High 境界 ≒ p80」に調整
  • ±10〜20%の範囲で微修正
  • 境界付近でのふらつきを防ぐため
    ヒステリシス(再降格は−10%を割るまで)」を採用

UI更新間隔を測る簡易手順

測定方法(手動)

  1. 板の 最良Bid/Ask の点滅(色の切り替わり) をスマホで撮影
  2. 0.25倍〜0.10倍にスロー再生
  3. 点滅の“時間の粒”を数える
    (例:0.12秒ごとに一回 → UI更新 120ms)

測定方法(歩み値)

  1. 歩み値を撮影
  2. 連続約定が「均等間隔でまとめて表示」されるなら UI遅延が大きい
    (例えば 20ms刻みの約定が100msごとに“まとめて3件”など)

🧭 7. UI更新間隔を知ると何がわかる?

✔ f/s の上限が理解できる

UIが100msなら、1秒10回が理論上限(それ以上は見えない)

✔ PPSが「フラット」に見える理由がわかる

高速約定が UIで平坦に潰される

✔ Fake/Trap の判定精度が上がる

UI遅延由来の“見せかけの吸い込み”を除外できる

■ 結論:通信遅延・更新間隔の違いにより、約定が“板より先に見える”ことは普通に起こる

これは **“市場で約定が先に起きている”のではなく、

“表示タイミングの問題(レイテンシ)”** です。


■ なぜ「約定(歩み値)」のほうが先に見えるのか?

理由は以下の 3 つ:


① 歩み値(Time & Sales)は“イベント駆動”更新

→ 約定が発生した瞬間に、サーバが即時配信する
→ “1件のイベント”なので遅延しにくい





1件の約定 → 即T&Sを配信 → クライアントが表示

② 板(L1)更新は“状態配信”で、まとめて更新されることがある

→ 複数のL1更新がバッチ化される
→ 通常は 50–100ms単位でまとまって飛んでくる
→ PC側の描画負荷にも依存する





L1価格が変化しても、更新頻度制御により
まとめて表示されることがある

③ クライアント側(PC or 回線)の負荷で“板表示の遅れ”が出る

  • 光回線でも Wi-Fi の揺れ
  • GPU負荷(板の描画処理)
  • ブラウザ or アプリの負荷
  • メモリ不足
  • CPUスレッド切り替え

これらにより 板が100〜300ms遅れることは普通にある。


■ どういう現象が起きるか(実際の画面例)

ケース:実際の市場では「38,505 の Ask が食われて」上に行った場面

しかしあなたの画面では…





歩み値(T&S):
 12:01:04.020  38,510  15  ↑(Ask食い 約定)

板:
 まだ 38,505 が表示されている(遅延)

あなたはこう見えてしまう:

「約定のほうが板より先に動いている?」

実際は:

  • 市場 → 38,505 が食われた(Ask消滅 → 38,510へ)
  • T&S → 即配信(100ms以内)
  • 板 → 更新遅延(200〜300ms)

■ 本当に「板より約定が先に動く」のか?

はい、“見える上では”先に動きます。
ただし、実際の市場の内部処理では、板更新 → 約定処理が一貫した順序です。

ユーザー側で逆転して見えるのは 表示遅延(表示レイテンシ:Display Latency)


■ どんな回線・環境で起きるか?

環境発生度
光回線(有線LAN)かなり少ない
光回線(Wi-Fi)中程度
モバイル回線多い
VPN 通常ON多い
ブラウザ版取引ツール多い
低スペックPC多い

特に ブラウザ+Wi-Fi は板遅延が出やすい。


■ 重要:トレーダーは“歩み値のほうが先”と認識している

熟練者は皆、次のように理解しています:

■ 歩み値のほうが「先行指標」になりやすい

 = T&S は板より更新が早く見える

■ 超短期では “歩み値優先” の理由

  • 板は更新がバッチ化される
  • 歩み値はイベント駆動でほぼリアルタイム
  • 板はフェイクされるが歩み値はフェイクできない

■ 実戦での対策(超短期向け)

✔ ① 歩み値(T&S)を“真実のソース”とする

→ 板の表示が遅れている場合でも、
 T&S が本当の市場の方向を教えてくれる。

✔ ② 板は「前兆」・歩み値は「決定」を見る

  • 板の厚み・偏りで方向性の“準備”を見る
  • 歩み値で“本当に動いた瞬間”を見る

✔ ③ DPR の方向判定で f/s を歩み値から取る

→ 歩み値のほうが遅延が少ないため、
 DPR の方向精度が上がる。


■まとめ:回線の具合で約定が板より“先に表示される”ことは普通に起きる

  • 歩み値はイベント駆動で早い
  • 板は更新まとめ・描画遅延が出る
  • PC・回線の負荷で表示順序が逆転する
  • 超短期トレーダーは歩み値を優先
  • DPR など方向圧比の判断では歩み値が重要

「歩み値(約定)」と「板(L1気配)」の“表示タイミングのズレ” は、
キャリブレーションの中でも最も重要な項目のひとつ です。

以下、その理由を “プロの視点” と “一般ユーザーが理解しやすい視点” の両方から整理します。


📘 キャリブレーションで最重要となる理由

■ 1. 板と歩み値は “同じタイムラインに見えない” のが普通だから

理論上は、

  • 板(L1更新)
  • 約定(歩み値)

は同じ市場イベントの中で一貫した順序で処理されますが、

ユーザー端末では 100〜300ms のズレが平常運転で発生します。

このズレを知らないと:

  • 「Askが残っているのに売買が通ってる?」
  • 「Bidのほうが強いのに下がった?」
  • 「フェイクか?」

など、誤った推論につながります。


■ 2. 全ての手製メーター(🍈🍓🍐🍏🍎)が “観測レイテンシ” の影響を受ける

たとえば:

🍈 f/s

→ 最良Bid/Askが更新された“ように見える”頻度
→ 板が遅れれば f/sは実際より低く見える

🍓 PPS

→ 歩み値の件数は比較的正確に見えるため
→ f/s と PPS の関係が“ズレているように”見える

🍏 DPR

→ f/s と PPS の向き・強さの比
→ f/s が遅れると DPRが 誤判定 を起こす


■ 3. AlgoTone・AlgoFragの “実戦補正” が間違う

PaperTon(統計版のトーン)は正しくても
リアルタイムの板を見誤ると:

  • Shock-Tone が Surge に見える
  • Spike-Tone がただの Spread-Widening に見える
  • Box 内のフェイクが本物に見える

など、実戦トーン認識が大きくズレます。


■ 4. リアルタイム判定(5秒カウント・3秒ローリング)が “ズレを吸収” する仕組みだから

本サイトが 5秒カウント+3秒ローリング平均 を推奨するのは、
まさにこの “遅延ノイズ” を吸収するためです。

  • 歩み値(T&S)は速い
  • 板(L1更新)は遅い
    → **5秒で“合成的な速さ”**を計測
    → **3秒で“瞬間的な方向”**を補正

この二段構えが、遅延の影響を最小化します。


📗 実は、プロも同じ問題に直面している

以下は高速系でも同じです:

板の遅延歩み値の遅延影響
HFT(専⽤回線)ほぼゼロほぼゼロ完全に一致
証券会社デスク小(20〜40ms)ほぼゼロ歩み値がやや先
一般トレーダー(光LAN)中(100〜150ms)小(50〜80ms)歩み値が先に見える
Wi-Fi / VPN / ブラウザ大(200〜400ms)中(100〜200ms)“ズレは当たり前”

つまり:

「板より歩み値のほうが早く見える」ことは、“異常ではない”、むしろ標準的。

だからこそ:

キャリブレーション=自分の環境の“ズレ癖”を知ること
が最重要になる。


📙 キャリブレーションがサポートする “3つの軸”

① レイテンシ(表示遅延)の自覚

→ 何ミリ秒ズレるかを知る
→ f/s・DPR の補正に使う

② 板 vs 歩み値 の優先順位の理解

→ 方向判断はまず歩み値(確定データ)
→ 板は“傾向”を見るだけ

③ AlgoTone/Frag のリアル補正

→ PaperToneをいったん頭に置く
→ リアルタイムの速度と食われ方で“本物のトーン”に書き換える


📘 まとめ:あなたの指摘は完全に本質です

板と歩み値のズレは、「キャリブレーションの核」です。
この認識があるかどうかで:

  • DPRの信頼度
  • AlgoToneの実戦認識
  • Shock/Spike の見抜き力
  • Box 内フェイクの判定
  • 初動の“本物と偽物”の識別

すべてが変わります。

以下、「誰でもできる/プロもやっている」
遅延癖(Latency Signature)測定の完全手順 をまとめます。


🔧 あなたのPC環境の “遅延癖” を測定する手順(保存版)

これは 市場が閉じているタイミング(前場前・後場後)でも練習できます。
本番前のウォームアップにも向いています。


Step 0:準備(3分)

① 板(最良Bid/Ask)が見える環境

L1(Best Bid/Ask)の価格・数量が見える画面
※ スマホアプリは不可(遅延が大きすぎる)

② 歩み値(Time&Sales)が見える環境

「約定価格・枚数・時間」がリアルタイム表示されること
※ 最上段が最新であること

③ 秒単位で揺れを見るためのテスト銘柄

日経225ミニ(主限)は最適
・取引量が多い
・テストとして十分に速度が出る


Step 1:歩み値(約定)の「最初の動き」をチェック(3秒)

歩み値は最も正確な“事実”。

まずは以下を観察:





13:15:00.100   38,510   ↑  3枚

この「約定価格の動き」が あなたの環境の“基準時刻” です。


Step 2:その直後の L1 Bid/Ask が“いつ動くか”を測る(計測ポイント)

歩み値が動いた瞬間から、
Bid と Ask のどちらかが“同じ方向”に動くまで 秒数を測る。

🎯 これが「あなたの L1遅延時間(板遅延)」です。


Step 3:10回繰り返して、遅延の癖を取る

以下のような表を作る:

No約定時刻歩み値更新L1更新遅延(ms)
113:15:00.10038,510→38,51513:15:00.230130 ms
213:15:00.35038,515→38,52013:15:00.460110 ms
313:15:00.70038,510→38,50013:15:00.870170 ms

🧪 10回の平均値=あなたの“遅延癖の基本レベル”

例)

  • 歩み値→板 の平均遅延:143 ms
  • 最大:190ms
  • 最小:110ms

Step 4:板が“先に動く異常系”の割合を記録する(重要)

10回中:

  • 歩み値 → 板 の順が 9回
  • 板 → 歩み値 の順が 1回

この「逆順の割合」が、
あなたの回線の“異常スパイク癖” を示します。

プロの基準

異常割合評価
0〜5%非常に安定
5〜15%標準(問題なし)
15〜30%注意(DPR補正が必要)
30%超ハイリスク(Wi-FiやVPNの可能性)

Step 5:f/s 🍈 と PPS 🍓 のズレを測る

歩み値 PPS と f/s の関係を比較し、
どれくらいズレて見えるかを把握する。

例)

  • 歩み値の実速度:🍓 = 5.0 /sec
  • 板 f/s:🍈 = 2.5 /sec

“板が半分の速度で表示される癖” があると判明

これが DPR(方向圧比)の補正式を決める基礎データ になります。


Step 6:あなたの環境の「Latency Signature」を作る

まとめると以下:





平均遅延(歩み値→板):143ms
異常スパイク(板→歩み値):8%
板の速度比(f/s vs PPS):0.52倍
影響:DPRが実値より弱く表示される傾向
補正:3秒ローリングを強めに採用、DPRは弱めに解釈

これが あなた固有の“遅延癖カルテ” です。


Step 7:これをどう使うか?(実戦補正)

🔹 ① DPR解釈の補正

  • 板が遅い環境=上方向🍏圧が弱く見える
    DPR +0.30 を +0.40 として扱う(補正)

🔹 ② Shock / Spike のリアルタイム認識

  • 歩み値の急速連打に
  • 板の変化が遅れてついていかない

あなたの環境では“本物のShock”

🔹 ③ 5秒カウントの採点

板遅延 0.5秒 → 5秒合計から1カウント多く見積もる

🔹 ④ f/s と PPS の統合

「板が遅い」前提で
f/sより PPS を重視する判断に切り替える。


🧭 まとめ:遅延癖を知ること=あなたの取引環境の“地図”を持つこと

  • 板が遅れる
  • 歩み値が先行する
  • DPR が低く出る
  • Spike が遅れて見える

などの “ズレ癖”を数値で把握するだけで、
実戦判断の正確さが 1ランク上がります。

自宅PCでも C/R(Change/Refresh Ratio)は “十分に有効” です。

ただし 使い方に注意点がある ので、そこを整理して説明します。


🟦 そもそも C/R とは?

C/R =(L1 の “新規+取消”) ÷(歩み値件数)

つまり、

  • 板がどれだけ「入れ替わったか」(新規提示・取消)
  • 実際の「約定件数」

のバランスを見る “板の気配 ↔ 実需のギャップ指数” です。


🟨 1. C/R は高速環境でないとダメなのか?

いいえ。家庭PCクラスで十分。

理由:

✔ L1 の「数量の点滅」は ほぼ UI の更新間隔に依存しない

UI が 50ms 〜 150ms 更新でも、
数量の“変化”はそのまま観測できる。

✔ 歩み値の件数も「まとめ表示」はあっても件数自体は正常

高速 Fill が0.1秒単位でまとめて出る可能性はあるが、
件数は失われない

✔ C/R は絶対速度ではなく、“比率”を見る指標

家庭PCであっても
相対的に:多い/少ない、偏っている/偏っていない
がわかれば十分。


🟧 2. 自宅PCだと C/R はどう歪む?

完全に歪むわけではありませんが、次の2つがポイント:


🔍 (1) 板の点滅(新規/取消)は UI 更新間隔の粒で見える

例)UI更新が100ms の場合

  • 実際には「L1数量変化 × 3回」が
  • 画面では「まとめて1回」に見えることがある

C/R の numerator(新規+取消)が若干低く出る


🔍 (2) 歩み値は“まとめ表示”のせいで 1回に見える

例)実際の fill





13:15:00.101  
13:15:00.119  
13:15:00.124

UIの100ms更新だと
1つの塊として表示

→ denominator(約定件数)が 1 に見える場合がある

C/R が“過大評価”されやすい


🟩 3. それでも C/R が自宅PCで有効な理由

C/R の本質はこうです:

板のチャカチャカ度 vs 実際に通った約定の比率

これは UI の遅延よりも
“方向性”の差を読む指標 であって、
絶対値で判断するものではありません。

たとえば:

✔ C/R が 0.5 → 1.0 → 2.5 と上がる

→ 板ばかり更新し、実需が細ってきた
Fake / Trap の兆候

UI遅延のありなしに関係なく
こうした「挙動の質」は見える。

✔ C/R が急低下(例:4 → 1)

→ 取消が消え、実需が増える
吸い込み方向の実入りが急増
これも家庭PCで十分にわかる。


🟦 4. 実際の“自宅PC仕様”としての C/R の読み方

家庭PCの場合:

🔹 UI更新 100ms → 5秒で 50フレーム

→ L1 の点滅回数は「50回の抽出サンプル」で見ている
→ 精度は 80〜90% で十分

🔹 C/R =

  • 0〜1.0:実需≧気配(素直な上昇/下降)
  • 1.0〜2.0:気配>実需(ノイズ帯、Fake も一定)
  • 2.0〜:気配が多く実需が薄い(Trap 予兆)

→ 数字の絶対精度より「帯」の移動が重要。


🟥 5. 自宅PCだと C/R の最大の落とし穴

高速Fillが UI で「まとめ表示」されると、
約定件数が少なく見えて C/R が嵩上げされる。

つまり:

  • スプレッドが狭い
  • 一瞬で10枚連打
  • しかし UI では「1件表示」

こういう環境では:

C/R が“高めに見える体質”になる


🟪 6. ではどうすればいい?(解決策)

✔ 3秒ローリングの PPS を併用

  • PPS が伸びているときの C/R > 2.0 は本物
  • PPS が低い状態で C/R > 2.0 は“遅延由来 Fake”

✔ DPR(方向圧)の 5秒平均を併用

  • DPR が +0.30 以上(🍏🍏帯)に入っていれば
    C/Rのぶれに影響されずに方向を読める

🟩 7. 結論(短くまとめる)

C/R は自宅PCでも十分使える。
ただし数値そのものより “帯の移動” を読むこと。

  • UI遅延で C/R が若干高めに出る
  • PPS(歩み値テンポ)を併用すれば補正可能
  • DPR(方向圧)と同時に使うと必ず安定する


本ページは、日経225先物 mini を標準にした一般+専門家向けの実務ガイドです。PC版のリアルタイム設定を前提に説明します(ブラウザ簡易表示やスマホは配信頻度が下がりやすいため、まずはPCでの観測を推奨)。サイト内の「Market Strategy Breakdown」には時間帯ごとのスタティックな旗レベル(💎🧊🌊💧❄️)を併記していますが、実戦では本ページのキャリブレーション手順に従い、直前の板・歩み値を3〜5秒だけ観測して“自分の端末の平常値”に合わせて補正してください。

2025年9月19日Bucket No.15

15:15-15:45 CORE 30分解析|225Report #15

2025年9月19日Bucket No.12

13:45-14:15 CORE 30分解析|225Report #12

2025年9月19日Bucket No.11 PM13:15

13:15-13:45 CORE 30分解析|225Report #11